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バランスについて・映画『バベル』
何気なく川面に投げた小石が、ちいさな水紋をつくる。
静かに広がった水の輪はさざ波を立て、揺らぎ、
やがては思わぬ場所で、何かを変えてしまうような力を持つこともあるのだ。
世界はつながっている。
そして、人はその内側でそれぞれを生きているのだ。

もし、遠い世界に起こる物事が、私たち1人1人の何気ない行動につながっているのだとしたら…そのバランスの不安定さに身震いしてしまう。
東京の夜景を見下ろす高層マンションと、
絶望にくらくらしそうなメキシコの砂漠と、
慎ましい暮らしのある乾いたモロッコの山々と、
何の関わりもないような場所を結ぶ、それまで見えなかったつながりを、
子供の放った1発の銃弾が浮き彫りにする。

そばにいるのに通わない心、伝わらない想いに苛立つ人々。

言葉を探そうとすればするほど、核心から遠のいてしまうようだけれど、
凄い作品に出会ってしまった。

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いつも新作が出ると必ず手にする村上春樹の本。
今回はさっぱり手に入らない。
もちろん、本を出せば売れる作家であるのは承知しているけれど、
こんな経験は初めて。
人の流れがひとつの大きなカタマリになっている感じがして、
少しばかり奇妙に思える。
「話題になる」というのはこういうことなのかな?

楽しみは先にあった方がいいので、
読める日を気長に待つことにします。
| by yura29 | 音楽・映画・本・芸術 | 13:55 | comments(2) |
そういえば近ごろ空を眺めていない
ずっと続いた暑さからの不調と、なかなかお休みがとれない毎日で
ブログすら文章を書くことから遠のいてしまっていました。
キュウキュウの数か月から抜け出て、深呼吸です。

静かでかつ重くない映画が見たいと思い『めがね』を鑑賞。
『かもめ食堂』と同じ荻上直子監督。
出演者も小林聡美さん、もたいまさこさん、と同じ。
色合いや時間の流れ方も、やはりかもめワールド(?)だけれど、
『かもめ食堂』の方が「どこかにあるかも」と思えるところや、
サチエさんの作る料理、凛とした魅力で私は好きかな…。
でも、なんにもない・なんでもない世界が描かれた今回のもいい。

『めがね』の島は、貸し切りの遊園地みたい。
人のいないスーパーマーケットの特売品のワゴン。
子供たちのいない校庭。車の通らない海沿いの道路。
目がくらむくらい美しい海と空の色。
現実からはかけ離れた、どこにもない場所。

印象に残ったのは、タエコさんが迷って途方に暮れていた道で、
引きずっていた銀色のトランク。
「自分に必要なもの」が入っているはずの重い<かばん>も、
手放してみたら、案外何事もなくやっていけるのかもしれないな、
なんてことを思い、その短いシーンで、
なんだかポッと一瞬心が軽やかになったのでした。
思えば今の気分にぴったりの世界。

それから、いろいろなお誘いを
タエコさんがひとつひとつきっぱりと断るところ。
頑なに映るかもしれないけれど、私はわりと好きだったりします。

気がつけば、空の色が綺麗な季節ですね。
| by yura29 | 音楽・映画・本・芸術 | 21:42 | comments(2) |
ガッチャマンは歌えました
ずっと気になっていたDVD『かもめ食堂』をようやく観ました。
フィンランドのヘルシンキで、日本人女性サチエが営む、
ちいさな食堂が舞台です。
この作品の世界、数分観ただけで私は大好きになりました。

きちんと磨かれたテーブルや清潔感のある真っ白な食器。
陽の光がたくさん入る大きなガラス窓。
良い食材で丁寧に作られた暖かな食事。

とりたてて大きな出来事はないけれど、毎日を誠実に生きていくサチエの暮らしや
通り過ぎたり、留まる人との絶妙な距離感。
ふんわりと、芯を持っていろいろなものごとを受け入れていくさまは、
本当に心地がいい。

生きることは、とても個人的なことなのだと当たり前のことを思います。
ごはんを美味しいと感じ、適度に身体を動かし、人と関わり、
自分に与えられたお仕事をこなす。
誰が見ていなくても、今日はあっけなく過ぎていってしまいます。

きちんと生きるサチエの毎日もまた個人的です。
だからこそ、強いメッセージや演出などなくても、
ただとっぷりとその世界に浸るだけで感じるものがあるのかもしれません。

『かもめ食堂』が好きという人だったら、
根拠もなく仲良くなれる気がします。

たぶん、私にとってはそんな位置付けの映画。
| by yura29 | 音楽・映画・本・芸術 | 23:06 | comments(4) |
好きなままで長く
歌詞を眺めながら、繰り返しアルバムを聴くということが久しくなかったのだけれど、Mr.Childrenの『HOME』を今そんなふうに聴いている。

気づけば、彼らの歌を聴くようになって14年あまりたってしまった。
危うくて尖ったメッセージソングもストレートで優しいラブソングも好きだけれど、私のなかで、アルバムとしては『Atomic Heart』を抜いて、一番好きと言えるものかもしれない。
こんな時は、聴き続けて良かったと思う。

ありふれた日常と、意識していなかった大切なものについて歌っている。
なんとなく初期の頃に戻ったようでいて、大きく変わっている。

それにしても、変化しつつ、何かひとつのものごとを貫く難しさと尊さみたいなものを感じてしまう。

私は、何でも続けることだけに意味があるとは考えていないのだけれど──思い切ってやめてみること、違うドアを叩いてみることにも大いに意味があると思うから。
でも、好きなものや「これ!」と感じたものにずっと関わっていく、
たずさわっていけることはやっぱり幸せなことだと思わずにいられない。

それが仕事であるならばもちろん素晴らしいけれど、
その道のプロでなくたっていい。ちいさな「好き」だっていい。
時々嫌いになってみたり、気持ちが離れたり、また好きになったりしながらも。

そう、たとえば私なら──
60歳くらいになっても、村上春樹の小説を読んでいて(そのためにも春樹さんには長生きしてほしい)、音楽を聴いて「感動した〜」とこんなふうに騒いでいたり、ノートのはしっこでもいいから文章を綴っていたりするといい。

そして、できるだけ長く「作る」仕事に関わっていられたら、などと思いを馳せつつ。

自由さは、身体と心が反比例していられるといい。
| by yura29 | 音楽・映画・本・芸術 | 22:15 | comments(4) |
Merry Christmas
月日がたつのは早いもの。
ちょっとうかうかしていると、一ヶ月なんてすぐ通り過ぎてしまいますね。

気になっていたのに今頃になって観られたDVD『シャイン』で、
シューマン、ショパン、ラフマニノフにリスト、と好きな音楽が盛り沢山に使われていて、それだけでも満足してしまうほど。
それにしても、この映画は私にとって、本当に久しぶりに良いものに触れたと思えるものでした。

『シャイン』は実在のピアニスト、デヴィット・ヘルフゴットの半生を描いた作品。
圧巻だったのは、精神に異常をきたした彼が、音楽によって解き放たれる瞬間。
人々の拍手とデヴィット(ジェフリー・ラッシュ)の表情に、自然と涙が溢れました。

人生すべてが音楽で、上手には生きられないのに、『熊蜂の飛行』を弾く場面や、トランポリンを飛ぶ姿など、彼だけの持つ世界での自由さにうらやましいほどの光を感じるのです。
たぶん、その世界には誰も入り込むことはできないのだろうけど…

その少し前に、ホロヴィッツの弾くシューマンの『子供の情景』とアルゲリッチの弾くショパンを買い込んで聴いていたところで、幾度となく映画のシーンを思い出しては、「いいもの見たなぁ」と1人うなづいている今日この頃です(ちょっと怪しい…)。

* * *
今夜はクリスマス・イヴなのですね。
今年は大切な人が病院にいるので、クリスマスはここにはないようです。
でも、ちょっぴりお酒は飲んでいたりします(いつも飲んでますが…)

サンタさんへのお願いは「友人が元気いっぱいになりますように」です。

…そういうのって、年齢制限あるのかな(涙)

| by yura29 | 音楽・映画・本・芸術 | 23:19 | comments(2) |
言葉のチカラ
ミスチルの桜井和寿さんと小林武史さん率いるBank Bandの『to U』。
久しぶりに音楽が心に響きました。
メロディの美しさと歌詞に込められた深いメッセージ。
そして声。

たとえ、現代の影の部分を映した重い内容だとしても、
いつもその先に希望を照らしている。
桜井さんの創る音楽は、もともと大好きなので
ひいき目だって好みだってみんな含めた上で。

それでも、ふいに耳にした音楽で、人の心を動かせる。
それは、やはり簡単なことではないのだと思います。
たぶん、音楽だけでなく、創るもの、差し出すもの、
すべてのものに当てはまること。

自分が発信する、形のない言葉の
秘める力を信じているからこそ
誰かの心にまっすぐに届くのでしょう。

きっと、多くの人にこの曲が届き、励まされる。
そう確信しながら、今も聴いています。
| by yura29 | 音楽・映画・本・芸術 | 16:59 | comments(0) |
ペンギン人生(ペンギン生?)に学ぶこと
涙を流している人だけが悲しいわけではない。
言葉を発している人だけが考えているわけではない。

近ごろ、実感していることです。
形として見えているものを、ただ浅く捉えて
わかったふりをしてしまいがちなことを。

* * * * * *
休日に『皇帝ペンギン』を観ました。
零下40℃の南極大陸。外敵の少ない氷山に囲まれた場所まで、
数週間かけて行進するペンギンたち。

そこでパートナーを見つけ、産卵、子育てするわけですが、
氷の上に卵を落としたら、数十秒で凍り付いてしまう環境下、
産卵を終えたメスからオスへと卵は託されます。

メスたちはヒナの餌を蓄えに海まで旅に出かけ、
オスたちは足の上(とおなかの毛の間)に挟んだ卵を落とさないように、
120日間何も口にせず、吹き抜けるブリザードに耐えながら、
ぎゅうぎゅう寄り添って、妻(?)の帰りと、卵が孵る時を待ちます。

彼らを突き動かしているのは本能、種の存続なのでしょうが、
自分たちのたったひとつの種を守り抜く姿が印象的でした。




思えば、生きがいや生きる意味を考えたり、
探そうとするのは人間だけなんですよね。

尊敬の念で、JR Suicaのスケートするペンギンを
見る目すら変わってしまいそうです(涙)

| by yura29 | 音楽・映画・本・芸術 | 20:30 | comments(2) |
羊が三千匹…
もともと寝付きが悪い上、眠りが浅いのですが、
体調が低迷気味のせいもあり、なかなか眠れない夜を過ごしています。

そこで活躍しているのが、
数ヶ月前から愛用しているiPod mini。


長めの好きな音楽を聴いて眠りを誘おうと目論んだものの、
ラフマニノフのピアノコンチェルト第2番(が一番好きなので)から聴き始め、
結局4番まで聴きとおす始末ですが。

…そういえば、羊を数えていたら3000匹まで集まったので
あきらめた過去があります(笑)

閑話休題。
ベッドで、セッティングしたCDなどと関係なく選曲できるのは、
どんな状態でも気軽に音楽を楽しもうという気持ちになりますね。
Appleも国内の音楽配信に参入するようなので、今後楽しみです。

音楽といえば最近、GARNET CROWの『I'm waiting 4 you』という
アルバムを聴いてすっかり気に入ってしまいました。
ヴォーカルの中村由利さんの力強くて魅力的な声と、
曲、音そのものの懐かしい感覚。

違和感なく、すうっと馴染むように新しいアーティストに浸ることができました。
「この曲いいな〜」と新しく感じられることが少なくなっていたので、
この発見は久しぶりに嬉しいです。

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※コメント機能はオンにしてみました。
ゲストブックが閉じていて、つんとした場所になってないといいのですが。
たいした理由ではないけれど、いずれ書けたらと思っています。
| by yura29 | 音楽・映画・本・芸術 | 22:00 | comments(0) |
石田ゆり子さんのこと
エッセイ『天然日和』を半分くらい読んだところで、
ずいぶん共感するところの多い人だなと、つい思ってしまった。
こんなふうに書いたら何ともおこがましいけれど。

彼女は、日本の女優さんのなかで、
たぶん一番すきといえる存在かもしれない。
清楚だけれどほのかな色気があって、線が細いようでこだわりをきちんと感じられる。
そういうところに憧れる。

話は戻って、共感した部分。

インテリアや雑貨がすきなところ
色を感じるのがすきなところ
その色のなかでも、選ぶのが大抵ベージュであるところ
優しさは他人への想像力だと考えるところ
言葉を大切にしたいと思っているところ
手に色っぽさを感じるところ
本がすきで、文章を書くことがすきなところ

ゲームはほとんどしないのに、
なぜか『バイオハザード』だけはとことんやるところ
そして、あのゲームを作った人たちに感動しているところ(笑)

それにしても、風通しの良い、心地よい文章を書く人だ。

ゆり子さん自身も「やりたいこと」とイメージされているようだけど、
いつかきっと素敵な小説を書き上げられるのではないかな。
| by yura29 | 音楽・映画・本・芸術 | 20:56 | comments(0) |
最後の春休みなんて、特に
最近、Hi-Fi SETのアルバムを気に入って聴いています。
あまりの懐かしさに、つい浸ってしまったりして。

ユーミンと杉真理の曲を集めた作品集なので原曲自体にも思い出があるし、山本潤子さんの声、ほ〜っとします。(あくまで「ほっ」ではなく「ほ〜っ」)
| by yura29 | 音楽・映画・本・芸術 | 12:55 | - |
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